文字サイズ:
イベントレポート

作戦会議「◯◯×アートのススメ」講演 地域ならではの魅力を引き出す

 まちだ○ごと大作戦の理解を深め、仲間づくりを行う「作戦会議」が2018年11月10日(土)、町田パリオのフリースペースで開かれました。
 今回は、アートプロデューサーで一般社団法人ノマドプロダクション代表理事の橋本誠さんを講師にお招きし、「◯◯×アートのススメ〜企画と実践のポイント〜」というテーマで講演とワークショップを行いました。

 「○○×アート」は、ドヤ街、下町、銭湯、福祉などさまざまなテーマとアートを掛け合わせる企画です。
 橋本さんはまず、「ドヤ街×アート」として2008年に横浜市寿町で開かれた『KOTOBUKIクリエイティブアクション』を紹介。日雇い労働者の街「ドヤ街(簡易宿泊所街)」として有名な寿町が高齢者や生活保護受給者が増え、福祉の街に変わっていく中、寿町総合労働福祉会館の壁面を装飾したり、保育所の子どもたち向けに鉄道のおもちゃを使ったアートワークショップを開いたり、コップ酒の容器を行灯(あんどん)にして街を飾り付けたり、アーティストや住民が様々な視点でアートを展開した取り組みなどを説明しました。

橋本誠さん
橋本誠さん

 また、「下町×アート」として東京都墨田区で開いた『墨東まち見世』では、スカイツリーを望み、町工場や木造住宅の間を狭い路地が縫うような下町で、古民家を再生したリノベカフェや空き店舗、廃業した銭湯など様々な地域資源を活用したアート活動をはじめ、住民の自発的で多様な活動が展開されたということです。

 その他、横浜市庁舎のロビーを地元で活動するアーティストの作品を展示する場とした「市役所×アート」。台東区上野にある国の登録有形文化財である銭湯「燕湯」で、俳優が銭湯の客や番台を演じながら、短い演劇パフォーマンスを展開する「銭湯×アート」。障がいのある方とアーティストがコラボして、ものづくりやパフォーマンスなど表現活動を行った「障がい福祉×アート」などのユニークな事例を紹介しました。

 橋本さんは「○○×アート」の役割として、「その場だけの演出や体験をつくり、その町にしかない魅力を引き出せる。住民とアーティストが一対一で向き合って、町を知ることで地域の課題を発見し、解決へのきっかけにもつながる。やってみるといつものやり方では見えてこないものが見えてきて、新しいコミュニティーが生まれる。その町にしかないものにこだわって多様性を提示できる」と解説しました。

 さらに企画と実践のポイントについて「何のために、誰に体験してもらいたいかを考えるとディテールが見えてくる。『銭湯を使う』という前提条件や関係する人々、アートである必要性はあるのかという点を確認し、アーティストや関係者とのコミュニケーションが大事になってくる。さらに、観客の危険や関係者への悪影響を想定したリスクマネジメントも必要。そして、やった後が非常に大事で、企画実施後に関係者の間で振り返りの場を持つことで相互の理解が深まって、次につながる」と語りました。

 ワークショップの様子
ワークショップの様子

 ワークショップでは、参加者が1組5〜6人の5グループに分かれ、それぞれがやりたい「○○×アート」を挙げ、その理由などを共有して1つを決めて、ワークシートにまとめて発表しました。

 「病院」をテーマにしたグループは、「病院を飾ろう」と題して、重病や療養中の患者さんが外に出られないので、病院の壁をキャンバスやスクリーンにし、病室などをアートで飾って癒やしにしてもらうという企画を発表しました。
 「ハロウィーン」をテーマにしたグループは、「子どもも大人も町田の宝」をコンセプトに、市内に多くのパブリックアートがあるが、あまり知られていないという課題を取り上げ、アートの発信地となる版画美術館に隣接する芹ヶ谷公園をメイン会場に、ハロウィーンのコスプレファッションショーを開き、パレードでパブリックアートのあるところでお菓子を配って、アートを知ってもらうという企画を発表。
 「音と花とコスプレ」のグループは、「まちだ○ごとお友達」と題して、若い人たちに町田をアピールするため、町田駅から市民ホールまでをパレードしてレッドカーペットでアピールするというアイデアを披露しました。
 「好きな場所」のグループは、「まちだの住民が好きな場所をアートでPR」するため、市民に市内で好きな場所のアンケートを取り、ベスト10の場所を俳句や絵などで表現して街中に展示するというものです。
 「本屋」をテーマにしたグループは、「本を本気で遊ぶ」として、表紙もアートといえる本を開いてもらうために、音楽の本をミュージシャンが、映画の本を映画制作者が紹介するという企画を発表しました。

ワークショップで発表中の参加者
ワークショップで発表中の参加者

 作戦会議には、町田市内在住の絵本作家・イラストレーターで、町田をテーマにした4コマ漫画「町田家、あさって、しあさって。」を10年以上ブログに連載している中垣ゆたかさんも参加。中垣さんは、○ごと大作戦の企画でもある「多摩都市モノレールを町田へ呼ぼう! キャッチフレーズ募集キャンペーン」のポスターも描いています。中垣さんは「町田で何か面白いことができないかといつも思っているので、こうした場にはできるだけ参加するようにしています。町田にはいろいろなことをやっている方がたくさんいる土壌があるので、○ごと大作戦のようにみんなが参加できる取り組みはいいですね」と話しました。

中垣ゆたかさん
中垣ゆたかさん

 橋本さんは「今回のテーマである『○○×アート』の『○○』にどんなキーワードを入れるか眺めているだけでも面白い。ワークショップで出た『好きな場所』は、僕も参加してみたいと思うような企画でとても面白いです。○ごと大作戦は、3年間という少し余裕のある期間で展開されるので、市民もあせらずに取り組めるし、市民でも企業でも誰でも参画できるという意味で自由度もある仕組みなので、今後も注目していきたい」と評価しました。

作戦会議の参加者
作戦会議の参加者

 ○ごと大作戦では、このような作戦会議を定期的に開催しており、11月の町田パリオの回には33名の方にご参加いただきました。2月に市庁舎で行った作戦会議は「大交流会」と銘打ち、仲間、協力者などのつながりづくりを重視した内容で行い、80名の方にご参加いただきました。
 次回も、顔を合わせながら、語って、聞いて、つながっていただくことをメインに、4月20日(土)に市庁舎3階の会議室で行います。
 詳しい内容は、今後改めてお知らせいたします。
 多くの方にご参加いただき、一緒に取り組む仲間をつくって、○ごとの花を咲かせましょう!

最新記事

アーカイブ