住宅街の道路を一部封鎖して、消防団のポンプ車による放水訓練と、参加者が水鉄砲などで水をかけ合うイベントを併せた「水かけ祭り」が7月28日、木曽南自治会内で開かれました。昨年は、あいにくの雨で中止となり、今年も台風の行方が気になる状態でしたが、夏の太陽も顔を見せる絶好の日和となりました。会場では、大人から子供まで約200人が笑顔で水を掛け合いました。
「水かけ祭り」は、木曽南自治会会長の一戸さんが地区の新年会で、地元の町田市消防団役員から消防団のなり手が不足していることを聞き、仕事でタイを訪れた際に知ったタイの旧正月「ソンクラーン」に行われる世界的に有名な「水かけ祭り」をヒントに、「町内で水かけをしたらもっと楽しいし、消防団にも一役買ってもらえば、消防団の仕事も自然と知ってもらえる」と発案。近隣の自治会や青少年健全育成地区委員会など地元のみなさんが参加して企画されました。

午前10時、少し雲の残る中、一戸さんが「台風もあり、心配していましたが、みなさんのおかげで無事に開催できました」という元気なあいさつでスタート。地元の町田市消防団第4分団第3部の団員がポンプ車を使って勢いよく放水訓練を披露しました。子供たちは早速水しぶきを浴びて盛り上がりました。
続いて東京消防庁町田消防署忠生出張所の消防署員が、道路上にある消火栓や排水栓を利用して、災害時などに住民の力で消火を行うスタンドパイプの使い方を説明。子供たちが長蛇の列を作って放水を体験しました。
この様子を見ていた忠生出張所の署員は、「地域の防災訓練でこんなに子ども達が集まることはない。道路を封鎖して思いっきり放水しているから、子ども達は楽しそう。訓練にもつながり、非常に良い企画だと思う」と話しました。

最後にお待ちかねの水かけ祭りがスタート。道路のそこここに置かれたバケツやビニルプールの中にたまった水を持参した水鉄砲などに入れて、参加者同士が掛け合いました。子供たちは、大人も混じって普段体験できない路上での水鉄砲合戦に大興奮、満面の笑顔で水を掛けていました。
昨年、水に濡れても良いプール用の車いすを準備して水かけ祭りを楽しみにしていたという小学校4年生の森島茉央ちゃんは笑顔で放水訓練にも参加。水鉄砲を手に「楽しい」と笑顔を見せました。父洋一さんと母雅子さんは「昨年は学校から車いすも借りて楽しみにしていたので、今年参加できてよかった」とこちらも笑顔でした。

今回、地元の協力がイベント成功のかぎとなりました。会場となった通りに住む内田さんは「前もって説明を受けていたので安心しました。最近この辺も少子化で子供たちの遊ぶ姿を見ることも減ったので、こんなに子供たちの笑い声を聴けてうれしい」と話しました。木曽地区協議会代表の竹島さんは「消防団のなり手も少なくなっている中で、大人も子供も楽しんで訓練にも参加できるユニークなイベントで素晴らしい。やる気になれば、どこの地域でもできそうな内容なので、参考にして欲しい」と絶賛しました。

先日町田市の消防訓練大会で優勝し、10月の都大会に出場予定の消防団第4分団第3部長の溝上さんは「大人から子供まで楽しんで参加してもらえる訓練はなかなかないので、消防団の仕事もアピールできたと思います」と手応えを語りました。一戸さんは「普段使っている道路で放水したので、すごくリアリティーのある訓練になった。今後は安否確認の訓練にも活用するなど楽しく続けていきたい」と意気込んでいました。

お昼をもって水かけ祭りは終了となり、びしょ濡れのまま集合写真撮影。大人も子供もみんな笑顔で、真夏の一日を堪能していました。

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写真:「水かけ祭り」の様子