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作戦レポート

身近なところから環境問題を考える『Earth Cross Over』のゴミ拾い

 “ジブンゴト”として環境問題や社会問題に取り組むグループ「Earth Cross Over」は、1年前から定期的に清掃活動(ゴミ拾い)を行っています。今回は、同グループが2021年3月23日に境川の清掃を行った様子を取材しました。

ゴミ拾いの参加者
ゴミ拾いの参加者、20リットル袋5袋分のゴミを集めた。

 川岸には菜の花が咲き、やわらかい春の朝日が川面を照らす中、ゴミ拾いは行われました。参加者5人は長靴と手袋という姿で、ゴミ袋とゴミばさみを手に川の中に入っていきビニールやペットボトルなどのゴミを集めて行きました。川底のゴミなども丁寧に拾い、1時間で約100mの範囲のゴミを集め、その量は20リットルのボランティア袋5袋となりました。

境川のゴミ拾いの様子
境川のゴミ拾いの様子

 この取り組みは、普段は精神保健福祉士として勤め、週末には川下りや登山など行う週末冒険家の橋詰 牧さんが2020年の4月の緊急事態宣言時に、冒険のためのトレーニングとして境川沿いをランニング中、身近な川の自然の豊かさとゴミの多さに気がつき、恩田川でゴミ拾い活動をしていた友人のデザイナー・アーティストの根津 加奈子さんに声をかけ一緒にゴミ拾いをしたことが、きっかけとなって始まりました。しばらくは二人を中心に、根津さんの小学生の姪、甥(姪は現在中学生)が加わるなどして清掃活動をしていました。その後、ヨガインストラクターでNLP※コーチをしている夢島 叶美さんが、環境問題に興味を持ち学んでいる時に橋詰さんと出会い、新たにメンバーに加わり活動をしています。
 ※NLPとは、日本語では神経言語プログラミングと言われ、1970年代にアメリカで誕生した心理学の一つ。

橋詰 牧さん
橋詰 牧さん

 橋詰さんは、「1年近く境川の清掃活動をしているなかで、境川の生き物の生活、草花の変化など自然の生命力を、四季を通して感じることができました。また、早朝の川でゴミ拾いしている姿が珍しかったのか、清掃活動をしていると『頑張って!』と声をかけてくれる方も多いです。1年活動を継続したことで、これまで沢山の方が活動に関心を持ち、ゴミ拾いに参加してくれています。」と、手応えを話してくれました。

根津 加奈子さん
根津 加奈子さん

 根津さんは「ビーチのゴミ拾い活動などは、近所に海がない環境だとイベント事になってしまって、“ジブンゴト”にならなかったけど、自分の住んでいる場所から地球規模の環境問題を考えて、近所を見渡すと川のゴミが目につきました。はじめは川の中に入ってゴミを拾うのに躊躇しましたが、少しずつ慣れていきました。その後、牧さんと一緒にゴミ拾いをし、活動を通して人がつながってEarth Cross Overの活動が本格化しました。」と話します。

夢島 叶美さん
夢島 叶美さん

 二人と違い遠方から参加する夢島さんは、「自分と同世代の20代の人にもゴミ拾いや環境問題について、興味を持ってもらいたいと思い活動しています。」と話します。

 橋詰さんは、「汚いとか大変だとかと思われるゴミ拾いのイメージを変え、一緒に取り組む仲間が増やせればと思い、SNSや動画で楽しくおしゃれに取り組みを発信しています。」と語ります。
 その楽しそうなSNSの様子を見てEarth Cross Overの活動を知り、今回のゴミ拾いには2名が参加しました。

 その一人、日本一周のボランティア活動にチャレンジ中の岩井 義忠さんは「やがては海につながる川のゴミ拾い、清掃活動は大事だと感じ参加することにしました。」と話します。

岩井 義忠さん
岩井 義忠さん

 もう一人の相模原市在住のぬいぐるみ作家、森脇 純也さんは古着などのリサイクル素材を用いてぬいぐるみを制作していたことから環境問題に興味があったそうです。森脇さんは「自分も何かアクションを起こさないといけない思い参加しました。みんなで環境に優しい社会を作っていければいいなと思います。」と環境問題への思いを話してくれました。

岩井 義忠さん
森脇 純也さん

 Earth Cross Overのメンバーに境川で拾った印象的なゴミを尋ねると、橋詰さんは「境川沿いの自転車歩行者専用道路で展示されていた保育園児の絵」と答えてくれました。拾った絵に書いてあった保育園に連絡し絵を届けたところ、その絵は10年前くらいに卒園した園児の絵で、本人のもとに無事に届けられたそうです。この話には余談があり、届けた先の保育園の園長先生が橋詰さんの小学校時代の同級生で、卒業以来の再開だったそうです。
また、根津さんは清掃活動で拾ったガラスや陶器のかけらを使ったアクセサリーなどを制作しており、リバーグラス(川の流れなどで削られ角が取れたガラス)を拾った時は宝石のように感じたそうです。

リバーグラスと清掃活動で拾ったゴミを使ったアクセサリー
リバーグラスと清掃活動で拾ったゴミを使ったアクセサリー

 また、失敗談を尋ねると、「清掃活動中に気づかずに在来植物のヨシを踏みつけてしまい、そこに特定外来生物のアレチウリが繁茂してしまったことです。詳しい人にアドバイスしてもらい、その後、繁殖力の強いアレチウリの駆除活動もしています。」と語ります。

 同グループは、雨で水かさが増し境川に入れない時などは街のゴミ拾い活動も行っています。コロナ禍で飲食店の休業や、閉店時間の早まりで、街中で飲食する人が増え、またレジ袋の有料化の影響などもあり、ポイ捨てされているゴミが増えていると言います。道路の側溝などに捨てられた吸い殻やプラスチックのゴミはやがて川に流れ、海にたどり着き、最終的には環境の悪化という形で自分達に帰ってくるということも伝えていきたいそうです。

 Earth Cross Overの活動の目標について、橋詰さんは「境川の清掃活動などの環境を守る活動は、年齢、性別を問わず誰でも参加しやすいと思っています。そこを入り口に、ジェンダーレス、ジェネーレーションレスなど様々な“境”をなくして“生きにくさ”を無くしたボーターレスな世界を作っていくことが大きな目標」と話します。
また、地域での環境活動をSNSで発信していくことで、同じ問題意識を持つ世界中の人達とつながり、やがてはそれが地球規模での運動になっていけばとも考えています。

 Earth Cross Overは、これまでにトータルで174時間の清掃活動を行い、7,980リットルのゴミを回収しています。(2021年5月11日時点)
 活動は、原則、火曜と金曜の午前7時スタートで1時間~1時間半に修正、町田市役所そばの境川で行われます。
 コロナが落ち着いて来れば、週末に清掃活動した後、楽しい参加型のイベントも計画しているそうです。

一年間の活動の様子
一年間の活動の様子

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▶︎Earth Cross Over ~ごみ拾いを通して考えるジブンゴト~

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