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イベントレポート

まちだ○ごと大作戦作戦会議 後編 観光地域づくりを考える

 まちだ○ごと大作戦の理解を深め、企画づくりや仲間づくりにつなげてもらうことを目的とした「作戦会議」が8月4日、市庁舎で開かれました。
 NPO法人市民プロデュース 平田隆之さんをファシリテーターとして、株式会社ヤマハミュージックジャパンでおとまちプロデューサーとして活躍されている佐藤雅樹さんと大正大学地域構想研究所教授で観光地域づくりに詳しい清水愼一さんを講師にワークショップが行われました。後編は、清水さんの観光地域づくりについて紹介します。

▶︎「前編 音楽を活用したまちづくり」はこちら

 清水さんは、JR東日本営業部長やJTB常務取締役などを経て日本版DMO(注1)(観光地域づくりプラットフォーム)推進研究会顧問を務めています。また、長野県や福島県奥会津振興センターのほか佐渡やニセコ、香川県などが加盟する全国13観光圏協議会、世田谷まちなか観光協議会など各地域のアドバイザーも務めています。

清水愼一さん(大正大学地域構想研究所教授)
清水愼一さん(大正大学地域構想研究所教授)

◆人つながることがまちづくりの原点

 清水さんは、JR時代の経験から、「駅をもっと楽しく。単に通過するとこというのではだめ、1日2回通るのだから立ち寄るところにしようと。それで駅ナカビジネスが始まった。通り過ぎるところから楽しく過ごせるところへの転換。これが観光の原点」と語り、「駅には利便性を求めがちだが、人がつながることが大事。人と人がつながるのがまちづくりの原点。まちの人だけでなく、よその人がつながると観光になる。人と人がつながり、元気が生まれ、よその人を巻き込むことが観光まちづくり。そのきっかけを作る人を育て、支える場をつくるのがまちづくり」と指摘しました。

 また、市民主体のまちづくりの重要性について、「昔の観光は施設をつくるか、温泉を掘るかだったが、最近はグルメが人気。でも行政が予算を出してB級グルメをしかけているようなところは、どこでも焼きそばやら丼で、最初はいいが翌年から人が来ない」といい、福島県喜多方市の例を挙げ、「『喜多方はラーメンの町』といい、年間160万人訪れるようになったが、滞在時間はわずか1時間だった。ラーメンだけ食べて帰ってしまう。そこで、2009年に『ラーメンの町』をやめようと言って、市民一人一人が面白いことをやろうと、200人の市民から提案を受けた。それでできたのが『きたかた喜楽里博』だ」と、地域住民の普段着の姿を楽しんでもらう市民の手づくり博覧会を生んだ経験を披露しました。

◆人任せにせず 自ら考える

 町田について、「町田がいかに楽しいか、住んでいて良かったと思うには、人が出てこないとだめ。普段からいろいろなきっかけをつくって、何かあればどこかでつながっていけるようにしておく。よその人とつながるきっかけを作っておく。自ら活動する場で○ごと大作戦をすべき。365日あちこちでいろいろなことが行われているまちにするのが一番面白い」と語りました。

 ○ごと大作戦について「何をきっかけにするか。それをまず考える。どうやって楽しくするか、どうやって人と人がつながるようにするかを考える。決して難しいことではない。普段の暮らしの中でちょっと気づいたことを自由に提案して、自らやっていく、そんな場にしてほしい」とアドバイスしてくれました。

その後、6つのグループに分かれ、町田の魅力とその発信方法などについて話し合うワークショップが行われました

「作戦会議」 ワークショップの様子
「作戦会議」 ワークショップの様子

ワークショップで発表中の参加者
ワークショップで発表中の参加者

 最後に、両講師の講評があり、佐藤さんは「町田市のように文化がありながら、自然背景があるところが動き出した。音楽に対する価値観も時代とともに変化している。町田の自然や歴史の中からいろいろな気付きがあって、地域から生まれてくる音楽が素敵だ、という時代になるのではないかと思った。町田らしい文化をつくるのを応援したい」と語りました。

 清水さんは「観光も全く変わってきている。どの地域も観光が大事だといって、パンフレットやマップを作ったり、イベントをやったりしているが、観光は『光を観(み)せる』ということで、地域の暮らしぶりを見せること。観光客には、ほかにはないその土地ならではの暮らしぶりを見せる。暮らしやすさの中で、都心並みの利便性やにぎわいがあるというのをどうやって磨いていくか。それをうまく発信していくことで、お客様が『すごいね』といってくれる。それでまた暮らしぶりを磨いていく。人任せにするのではなく、みんなが自分の暮らしぶりを磨いていくことが観光まちづくりです」と話しました。

(注1)日本版DMOとは、地域の「稼ぐ力」を引き出すとともに地域への誇りと愛着を醸成する「観光地経営」の視点に立った観光地域づくりの舵取り役として、多様な関係者と協同しながら、明確なコンセプトに基づいた観光地域づくりを実現するための戦略を策定するとともに、戦略を着実に実施するための調整機能を備えた法人。(国土交通省観光庁ホームページより引用)

◆11月にも「作戦会議」を開催

 11月8日(木)の午前10時から玉川学園コミュニティセンターで、11月10日(土)の午後1時からは町田パリオ4Fで、〇ごと大作戦「作戦会議」を開催します。
10日の町田パリオで行う作戦会議では、アートプロデューサーであり一般社団法人ノマドプロダクション代表理事の橋本誠氏を講師としてお招きし、「◯◯×アートのススメ〜企画と実践のポイント〜」というテーマで講演とワークショップを行います。まちなかの広場・公共施設・商業施設などの美術館以外の環境におけるアート、まちづくり・食・福祉・教育など他分野の魅力や課題に寄り添うアートなど、◯◯×アートの活動の魅力や可能性について、事例を交えながら紹介します。
 提案をしたい、一緒に取り組む仲間をつくりたい、誰かの取り組みをサポートしたいなど、大作戦に関わりたいと考えている方は、どなたでもご参加いただけます。申し込みは電話(042-724-5656、午前7時~午後7時)、またはイベント申込みシステム(玉川学園の回町田パリオの回、24時間受付)で受け付けています。

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